肉桂四方山話 カシアとセイロン

シナモンは香り高いスパイスで、甘みや辛みが特徴です。

カシアとセイロン、この二つの名前を聞いても、多くの方がその違いを即座に説明できるでしょうか?スパイスの王様とも呼ばれるシナモンには、実は異なる顔があります。本記事では、スパイス愛好者が必ず知っておきたい、カシアとセイロンの秘密に迫ります。

まずはそれぞれの特徴から始めて、その歴史的背景、主な生産地、そして使用する際の注意点について掘り下げていきましょう。

カシアとセイロンの違い|スパイス愛好者必見の秘密!

カシアとセイロン。これらの名前を聞いて、多くのスパイス愛好者が思い浮かべるのは、同じくらい香り高いシナモンです。しかし、これらはどのように異なるのでしょうか?この記事では、見た目が似ているこれらのスパイスの違いと、それぞれの独特な魅力に迫ります。

カシアとは何か?

カシアは、シナモンの一種であり、強い香りと辛味が特徴です。主に中国やインドネシアで生産されており、その厚く硬い樹皮はシナモンスティックとしてよく使われます。市場に出回るシナモンの多くは、実はこのカシアであり、その刺激的な風味が料理やお菓子に深みを与えます。しかし、クマリンという成分を含んでおり、過剰摂取は避けるべきです。

セイロンの特徴

セイロンシナモンは、より繊細で甘い香りを持ち、真のシナモンとも呼ばれています。スリランカが主な産地であり、樹皮が薄く、細かくロール状になっているのが特徴です。クマリン含有量が非常に少なく、カシアに比べて体に優しいとされています。その上品な味わいは、デザートや飲み物にピッタリで、洗練された風味を楽しみたい人におすすめです。

歴史的背景

シナモンの使用は古代まで遡ります。古代エジプトでは、香料としてだけでなく、葬儀の儀式で遺体を防腐処理するのにも用いられました。カシアとセイロンの差が顕著になったのは、15世紀にポルトガルがセイロン島を占領してからで、セイロンシナモンが欧州に大量に輸出されるようになったことで、両者の商業上の価値が異なり始めました。以降、その人気は世界中に広がりました。

主な生産地

カシアの主な生産地は中国とインドネシアですが、ベトナムやバングラデシュでも生産されています。この地域の気候がカシアの育成に適しており、強い香りの原因となる精油の含有量が高くなります。一方、セイロンシナモンはスリランカが最大の生産地であり、その品質の高さから「真のシナモン」として高い評価を受けています。この他にも、マダガスカルやセーシェルでも生産されています。

使用上の注意点

カシアとセイロン、どちらのシナモンも健康にいくつかの利点がありますが、使用する上では注意点があります。特にカシアに含まれるクマリンは、過剰に摂取すると肝臓にダメージを与える可能性があります。日常的にシナモンを楽しむ場合はセイロンシナモンの方が安全とされています。また、アレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、初めて使用する際は少量から試すことをお勧めします。